2023.01.16
保育園訪問【雑誌掲載版】

HOPPAからすま京都ホテル──ここで育んだ自己肯定感とプレミアムな教育が、未来に繋がり花開く

ここで育んだ自己肯定感とプレミアムな教育が、未来に繋がり花開く──HOPPAからすま京都ホテル

HOPPAからすま京都ホテルさんについて教えてください。

園長:野田 敦夫さん

HOPPA は株式会社京進の出資子会社として設立し、当園は2011年11月にHOPPA 1号園として開園しました。HOPPA の中では先進的なオリジナル教育プログラムを実践する「プレミアム園」という位置づけです。
また、ホテルの中にあるという特別な園です。ホテルのシェフによる高品質な給食を安定的に提供できること、交通アクセスや利便性、園庭の確保などを総合して考えた時、ここが最適解でした。

保育の特長を教えてください。

HOPPA では、英語、知育、プログラミングを教育3本柱として掲げています。学習の先取りに傾きすぎない自己肯定感や知的好奇心を育む保育・教育サービスを提供しています。「保育園」というところに軸足を置きながら、色いろな体験機会を守っていくというコンセプトで保育をしており、結果的にそれが小学校以降花開くと思っています。

英語では、0~2歳児さんは英語のシャワーを浴びて、言葉をたくさん増やしていってほしいと思っています。3歳児からのレッスンでは、英語の4技能に触れる深い学びに入っていきます。
言語の臨界期は6~7歳で、それまでに2,000時間英語に触れることで自然と身につくと言われています。当園では、入園のタイミングにもよりますが、優に2,000時間を超えるカリキュラムを組んでいます。
英語のみのインターナショナルの園とは異なり、英語環境に加え、国語(母語)的、算数的、プログラミング的領域も十分にあり、トータルにお子様の力を育んでいきます。
小さいうちから英語だけにしてしまうと、母語の発話が遅れてしまう可能性もあり、英語も中途半端なセミリンガルになりかねません。そこで、母語をしっかり彼らの背骨として育てながら第二言語が身につくような環境を作っています。

プログラミングは、保育園らしいアクティビティの中でプログラミング的思考に触れることを第1段階としています。
保育の世界は、実はプログラミング的要素に溢れているんですね。たとえば、一人ひとりに動物やお花のマークを割り当てて、場所や所有物を理解しやすくするという手法がありますが、これもプログラミング的要素です。そういった日常、生活の場を構造的に捉えていくことで、考え方の先取りができるよう取り組みを工夫しています。
そして、第2段階でキュベットというプログラミング玩具を使って学び、最終的にiPad を使用してコーデイングするところまでプレミアム園では取り組んでいます。
プログラミングは、同グループの認可保育園では日本語でレッスンを行なっていますが、当園では英語でネイティブの職員が指導しています。英語を学びながら、英語で学んでいるというところがプレミアム園としての特長の1つになります。

5歳児さんには各自のプログラミングの卒園プロジェクトがあります。将来の夢を決め、たとえばそれが宇宙飛行士だったら、ロケットを作って飛ばすプログラムを作り、それを英語で発表するという具合です。
このように、卒園時には自分の思いを英語でプレゼンする卒園プロジェクトとしています。

ホテルのシェフが給食を作っているとお聞きしました。

おいしいと非常に人気です。給食は安全であることも美味しいことも大事だと思います。味覚は鋭敏なうちに味わうことによって鍛えられる部分だと思いますし、一生の財産だと思うんですね。
また、年中行事や食器など、食の体験の中で文化を知るという面もあります。子ども達にはなるべくそういったことに触れさせてあげたいと思っています

京都ならではの良さはありますか?

保育室の中にある印象的な大きい木の柱!/HOPPAからすま京都ホテル

散歩コースに御所や鴨川があったり、お祭りのお神輿を見に行ったり、普段から京都の文化に触れられるというのはやはり素晴らしいと思います。

少し変わったところで言うと、コロナが流行る前は外国人旅行客がたくさんいらしていたので、日頃の英語活動の成果を見るために、道行く外国人にインタビューをしていました。実際に英語が使える、伝わるという経験は大事だと思います。
これは2020年を境にできなくなってしまったので、昨年からハワイとオーストラリアの提携園さんとオンラインで繋いで交流をし
ています。

職員が働きやすくなるための環境作りはどうしていますか?

ネイティブの職員も、日本人保育士と同じように保育や清掃をします。欧米では分業が基本ですから、清掃までするというのは彼らにとってハードルが高いんです。文化の壁を越えて保育にまで取り組んでくれるネイティブ職員の頑張りを見て、日本人職員も影響を受け、お互いに刺激し合っていますし、コミュニケーションも盛んです。

会社全体では、保育事業だけでも1,000名規模なので、組織の規模を活かしたエンゲージメント策はできるかぎりやっています。表彰式や歓迎会、ブラザーシスター制度などがあります。
今年は、新入職の職員が1か月間頑張ったことに対し、園長が写真付きで一筆書いて、1年間のアルバムにしようという取り組みを始めました。ネガティブな部分を指摘するのではなく、できたところを認めて育てていくという方針です。

私達は、やればできるという体験を子ども達に積んでほしいと思っています。それは、乳幼児期にどれくらい肯定的な関わりを与えることができたかが大きいと思います。職員の人材育成も同様に、肯定的にアプローチしていくべきだと考えています。

ここで育った子ども達に将来どんな人になってもらいたいですか?

会社として、自己肯定感をもって卒園させてあげようという方針で運営しています。その上で、異文化理解をしっかり持ったリーダー、違いというものを認め合えるようなリーダーになってもらいたいです。

今後の展望を教えてください。

保育において経験も勘も大事ですが、質の均質化と底上げを考え、エビデンスに基づいた保育ができるような仕組み作りをしています。
HOPPAからすま京都ホテルも開園して10年以上が経ちましたし、5~6年経つ認可保育園も増えてきたので、私達の取り組みがどうなったかを追いかけることができる段階になりました。卒園後のアンケート収集などで、継続的に子ども達の成長を追いかけていく仕組み作りに着手したところです。それを保育園の活動にフィードバックしていきたいです。

HOPPAからすま京都ホテルといったら?

「プレミアム園」です。日本人職員、ネイティブ職員が各クラスにいて、進んだ教育ができることがプレミアムであり、HOPPAからすま京都ホテルなのだと思います。

(MiRAKUU vol.41掲載)

HOPPAからすま京都ホテル

HOPPAからすま京都ホテル

住所

〒600-8412
京都府京都市下京区烏丸通四条下る二帖半敷町652 からすま京都ホテル4階

アクセス

阪急京都線 烏丸駅より徒歩2分
京都市営地下鉄烏丸線 四条駅より徒歩1分

開園時間

月~土 8:00~20:00

連絡先

TEL:075-353-2086

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