2023.01.16
保育園訪問【雑誌掲載版】

Kids Rocket Academy──STEAM教育で人生をデザインできる思考力を育てる

STEAM教育で人生をデザインできる思考力を育てる──Kids Rocket Academy

Kids Rocket Academyさんについて教えてください。

代表:白井 裕子さん

2019年に開校したSTEAM 教育を行うトータルバイリンガルスクールです。
アシスタントの先生は日本人もいますが、メインティーチャーは全員ネイティブです。午前は英語で、午後は日本語で保育・教育を行なっています。

私はもともとデザインをしていたのですが、結婚後に保育士資格を取って保育園で働いていました。そこで様ざまな教育方法を体感して、教育に対する価値観がすごく変わったんですね。そして、子ども達が大人になった時に活かしていくものこそが教育の核となるべきと思いました。
英語や算数などは大切なツールです。そのツールをしっかり理解して、連動させて活かし、自分がどうするのか、どうやって生きていく
のか、どうしていこうかという発想力、マインド力を身につけさせたいというのが開校理由です。

なぜSTEAM なのか? それまで様ざまな教育を見たり調べたりしましたが、なかなかしっくりするものがなく、結局は自分達で取捨選択していかないといけないなと思っていた時に、スタンフォード大学のデザイン思考に出会いました。
人間というのは、自分でアイデアを出し、失敗から学び、何をしていくのかを考えていく思考力が全てだということ。デザインをしていくという発想が自分の考えと合致したんですね。それで、STEAM を取り入れる幼児教育を行なっています。

STEAM 教育の基礎となる部分はどうしていますか?

Kids Rocket Academy

基礎は、心に寄り添うという形のごく普通の保育です。ここのポリシーは「失敗して前進する」。型にはまらず、チャレンジするという方向なので、間違っていいよ、間違えるの楽しいよと教育しています。Mistakeis OK. はみんなの口癖になっています。

先生が子どもを叱ることはありません。もちろんなんでもOKの自由ではなく、人としての当たり前のルールや、基本的な保育の部分はあります。その上で、間違えるのはOK、そこからどうするかを考えようね、というように寄り添ってくださいとスタッフ全員に言っています。先生達も間違っていいんです。先生達も失敗して、そこから自分達で成長してほしいのです。

肯定感を育むというのもありますが、叱られたり否定されると、萎縮してしまうんですね。
当園はカリキュラムを組んだり、英語で学んだり、実験をしたりとSTEAM を体感するプログラムを多数用意していますが、単にそれをこなしているだけでは、ただの「幼児教室」みたいなものになりかねないのです。それは私が求めているものではありません。
答えは間違っていたとしても、あなたが考えてそこにたどり着いたのだからいいのだということをわかってほしいのです。

これから先、世界に出ていった時に、自分のことが好きで自分に自信がないと、活躍できないと思います。
「君はそれでいい」「君は君でいい」。
そこから自分の考え、発信するもので何かを切り開いていくということを身につけてくれたらと思っています。

具体的にどういったことをしているのですか?

毎月テーマを設け、そのテーマに基づいた学びをしています。
たとえば「風」だったら、風ってどんなだろう? から始まり、風で何かできるかな? どんなものが動くかな? と発展していって、ものを作ったり、実験したりします。
年少では概念や特性を学びます。年中では実験できるものを作る。年長では風で動くものを自分なりにデザインしたり、もっと高性能にするにはどうしたらいいのかを考え、デザインして作っていくというものになります。

午前中はこういったことを英語で学び、午後は日本語で各分野の先生が同じ「風」というテーマに沿って、テクノロジー&エンジ
ニアリング、アート、算数、サイエンス、体操、音楽といった各分野で連動させてレッスンをしていきます。
たとえばアートだったら、アーティストの「風」にちなんだ作品を鑑賞し、デザインするってどういうことだろうね? と考える。算数だったら、風を使って飛ばしたものの飛行距離を測ったり。子どもの興味を引くよう、ゲーム感覚にしてやったりしています。
多角的視点で物事を捉えていく内容になっています。

食のこだわりを教えてください。

給食はお弁当を利用しています。保育施設のお弁当としては少し高めの価格なのですが、食育も兼ねていますし、9割国産、野菜中心、毎日手作りという部分でこだわっています。
当園の子は野菜を食べられる子がとても多いです。やっぱり美味しいんです。薄味なのですが、それが美味しいと思えるということは、うま味がちゃんとわかる舌だということ。その感覚は大事だと思います。

口に何でも入れることがコミュニケーション能力に繋がるという論文があるんです。
色いろなものを食べてみるということは、味覚や感覚だけでなくそれ以外のものにも影響はあると思うので、色いろなものが食べられるのは良いと思っています。

人形町水天宮ならではの良さは何でしょうか。

大きい公園がいくつもあることです。サイエンスの授業があって、必ず自然観察や自然に触れる時間があるので、大きい公園は必須なのです。
また、利便性が良いですね。3路線使えますし、ちょっと行くと教材がいっぱいあるんです。電気、建物、橋など、毎月設定するテーマに合うものが揃っています。商店街もありますし、教材に事欠かないのが良いですね。

ここで育ったお子さん達に将来どうなってほしいですか?

人のために自分のスキルを活かしてほしいです。色いろな方向から物事を見て、固定概念だけに囚われないでほしい。
自分が人のために何かを生み出し、それが何かの役に立つということをやってほしいと思います。

今後の展望を教えてください。

学んできたことを学びや体験だけにするのは無意味なので、それが実際にどう使われているかというのを、企業さんにワークショップをしていただいています。
今月は「電気」がテーマで、光る図鑑を作ろうということになり、学研さんの図鑑ミュージアムに行って、実際に光る図鑑を見てきまし
た。来月は、花王さんとテーマに沿った体験を用意していただきます。
こういった実体験も重ねて、未来に繋がる学びを構築していきたいと思っています。

Kids Rocket Academyといったら?

“Try and Error” です。失敗から学ぶ、間違ってOK。そして、答えは自分で見つけようというのがキッズロケットアカデミーです。

(MiRAKUU vol.41掲載)

Kids Rocket Academy

Kids Rocket Academy

住所

〒103-0013
東京都中央区日本橋人形町2-15-11

アクセス

東京メトロ半蔵門線 水天宮前駅より徒歩3分
東京メトロ日比谷線 人形町駅より徒歩5分

開園時間

月~金 8:00~18:00

連絡先

TEL:03-6877-0285

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