桜の詩保育園──自分で立つ「自立」と自分を律する「自律」両方の意味で「じりつ」できる大人になってもらいたい
桜の詩保育園について教えてください。
桜の詩保育園は埼玉県で46年の歴史を持つ幼稚園が母体で、本年度4月に開園しました。幼稚園でも保育園でも身につけてほしいことに変わりはないという理事長の考えで、3~5歳児には幼稚園と同様のカリキュラムを用意しています。私達は幼稚園がベースの学校法人なので、長年の経験を活かして小学校に上がるまでに基本的な生活習慣をしっかり身につけ、ご挨拶ができて先生のお話の聞ける子に育てたいと思っています。
特長的なカリキュラムはありますか?
0~2歳児はご家庭と同じように愛情もって接してあげたいと思っています。子ども達の発達と個々の育ちに合わせた形でおもちゃや絵本を選んだり、集団の中での生活、特にお友達へのご挨拶ができるように、先生自らがお手本を見せるというところから始めます。
3~5歳は社会性を学んでいくことと、基本的な生活習慣を身につけることが中心です。自分のことが自分でできるようになるように、靴を揃える、椅子をしまうなど、基本的なことから年齢に合わせて指導しています。
また、「立腰(りつよう)」という、おへその下にある丹田(たんでん)に力を入れ背筋を伸ばして座るということに力を入れています。当園はあえて背もたれが小さいイスを用意しています。お腹に力を入れれば背筋が伸びますし、姿勢の良い子はしっかりお話を聞け、自然と人の目を見てお話することもできます。ずっと立腰の姿勢を保つのは難しいですが、出席の名前を呼ぶ前や、短いお話を聞く時などに少しずつ「立腰」の時間を設けています。
建物や内装のこだわりはありますか?
子ども達が育った時に記憶に残るものって幼児期の原風景としてとても大事になってくると思うので、それを大切にしたいと思い環境には一番力を入れています。
建物にはこだわりを持っていて各園独自の建物になっており、埼玉県の景観賞をいただいたり、建築雑誌の表紙を飾ったりしています。
桜の詩の園舎は、子どもを取り巻く環境に関して大変造詣の深い、環境デザイン研究所の仙田満先生に設計をお願いしました。埼玉の園は土地が広いですが、ここ世田谷では限られているので、どうやって敷地を有効に活用するか考え、庭を南側にしたいが安全も確保したいので、建物をL 字型にして中庭のような形で園庭を設け、屋上もテラスにして遊び場を確保しています。
また子どもの触れるところはなるべく自然の素材にしたいと、床や柱に木材を使用しています。壁も天然素材のシラス壁で湿気やシックハウスの原因物質を吸収するので、本当に自然できれいな空気の中で過ごせる環境になっています。
ステンドグラスにもこだわり、園名『桜の詩』に合わせて花咲かじいさんが桜を咲かせているイメージでデザインしていただき、すべてドイツのアンティークグラスを使用しています。園舎やこのステンドグラスが原風景として心に残ると良いなと思っています。
保育士の質の向上のために取り組んでいることはありますか?
研修は随時行なっており、内定者にも研修をします。もちろん保育に関する研修も大事なのですが、特に重視しているのが社会人としてのマナーです。保育士になる方は、保育者としての勉強はしているのですが、電話の出方や挨拶の仕方など、そういう社会人としての勉強はそれほどやっていないんですね。しかし、実際の保育の場では子ども相手の保育以外にも大人同士のやりとりが出てきます。ですから、まず始めに社会人として身につけるべき基本的なことの研修を行なっています。
ここで育った子ども達に将来どうなってほしいですか?
しっかりとした挨拶のできる礼儀正しい大人になってほしいと思います。それから、自分で考えて行動する子どもですね。例えば「運動会の練習が辛い」。でもその時「やらなくていいよ」では嫌なことを乗り越えられない子になってしまいます。そこであえて「やってみたら楽しいよ」「頑張ろう」と前向きな気持ちを持たせていって、大人になった時にも強い心を持ち、困難を乗り越えられる人になってほしいと思っています。
「じりつ」という言葉がありますね。自分で立つ「自立」と自分を律する「自律」。自立ができてなおかつ自律ができるような大人になっていただきたいです。
今後の展望を教えてください。
もともとこの土地を持っていた方が住宅にするよりも地域に役立つ場所にしてほしいと行政に相談されていて、ご縁あって私達が購入し、近隣の方ともお話を重ねて桜の詩保育園ができました。最近の保育園は借用地が多いのですが、私達はこの地に根付いていきたいという強い思いを持って土地を購入しました。ずっと残る保育園ですから、ここで育った子が大人になってもまた寄っていただける、子どもを預けたいと思っていただけるような園であり続けたいです。
町内会や近隣の方とも親しくさせていただいていて、今日は前の畑でさやえんどうの収穫を体験させていただきましたし、神社の夏祭りにもお誘いをいただいています。このような地域交流も大切にして長くこの地に受け入れられ、地域に根付いた保育園としてがんばっていきたいです。
桜の詩保育園といえば○○というと?
「夢の共有空間」です。園児達の夢、職員の夢、みんなの夢を育む空間が桜の詩保育園だと思っています。
桜の詩保育園
住所
〒156-0054
東京都世田谷区桜丘4-26-22
公共交通機関
小田急線 千歳船橋駅より徒歩15分
開園時間
月~土 7:15~20:15(延長18:15~20:15)
連絡先
TEL:03-6804-4682 FAX:03-6804-4681