第25回 読者からの質問にお答えします! グミで本当に咀嚼力はつくの?
基本的にグミという存在は、現代人の勘違いでできた食べものです。
噛むものが無いがためにできた新しい食べ物で、糖尿病の対策をしてある国なら、影響は少ないと言われています。しかし日本は、虫歯にも歯周病にもなり、糖化が起こっている世界一の糖尿病大国で、小学校2年生で糖尿病の子が13%もいます。
噛んで食べないと食べられないものが、食べ物。小さくして食べやすくしたものは餌だと理解してください。グミは補助的な食品です。
日本人は、インスリンの立ち上がりも量も世界一少なく、痩せている人のほうが糖尿病になるという世界初の民族です。(図1)
糖化の症状として、皮膚炎、筋肉量の低下、筋肉の機能の低下、そして骨組織、内臓系の機能の低下など、骨組織においては骨粗鬆症が有名で、認知症なども影響として現れます。
いずれにしても糖を自覚しているのですから、その分運動量を増やすことと、水をしっかりとってもらうこと。口腔内は、朝起きたら、すぐに5分間ブクブクしてから、ブラッシングをして食事。休みの日にはブラッシングの後に赤染めをして、1週間の健康度をチェックしてください。濃い色が残っていたら、その程度のブラッシングでは、食事を食べると、とんでもない細菌の感染が起き出しているということを自覚してください。
グミで噛むトレーニングや、ガムで噛むトレーニングという考え方はありません。誤嚥を起こす可能性の無い人は、食事の最初に、しっかりと噛まないと飲み込めない食べ物の大きさの食べ物を口に含み、箸を置き、100回程度噛んでください。唇を閉じて、しっかりと噛む、この時に上下の歯がガチっと噛むものは、食べ物ではなく、飲み物の分類になるということを理解しましょう。食事の間、上下の歯には絶対に食べ物が介在するので、接触することが無いということを学んでほしいのです。
食べ物は、しっかり噛んで潰して、口の中を大きく舌が動き、唾液と混ぜて、舌で集めて丸めて(舌の凝集機能)柔らかい塊にして、飲み込むという機序が働きますが、現代食は、噛まないで飲み込んでも味が口に含むだけでわかるので、飲み物としての飲み込み方になってしまいます。そして姿勢が悪い状態でも、舌と歯をほとんど使わないで飲み込める食べ物は、病気となる酸化物質となるのです。どんなに体に良いという栄養素も、噛んで唾液と混ぜることで初めてその栄養が、次に運ばれる胃、そして腸へと運ばれて、それぞれの消化機能を上げ、吸収、排泄まで行くのです。排泄には、今まで使っていた細胞の入れ替わりを行う細胞の死骸も含まれています。
さあ、グミはこのような機能を向上させるものでしょうか。たまに食べるのなら良いのですが、常食、毎日の嗜好品として与えるには、あまりにも問題を起こす加工食品だと理解する必要があるのではないでしょうか。
よく“トクホ”などと言われ、良いものとして扱われる食品や飲料も、他よりも多少良いということで、実際には食べ物ではないのです。
そのあたりも考え、しっかり噛んで食べて、というトレーニングをそろそろ覚えていきましょう。
舌の動きと嚥下機能のタイミングができなくなっている大人も子どもも多く、誤嚥という食べ方をしてしまうため、とろみ食や粉砕食、スムージーなどで、発がん物質を体内に作りながら、食べるしかない食生活になっています。子どもを自然に育てたいという親ほど、切ったり、火を加えたり、潰したりして味付けをしてしまい、刺激時唾液という自然界で最も強い消化酵素でありながら、中和する能力としての緩衝能に優れている100回くらいよく噛んで食べると出てくる唾液の恩恵を全く無視しています。なぜ癌になったり、脳血管障害になってしまうのか。そんなことも姿勢との関係で、全体の歯でよく噛んで潰して唾液と混ぜて、舌で塊にして飲み込むという24時間動いて仕事している舌の機能から、食べるということと、そして睡眠時無呼吸と噛み合わせ、食べられないことの関係などもこれから一緒に考えていきましょう。
医療では治せないのが、呼吸、飲み込み、姿勢、態度、運動機能、考え方、そして今回の環境の変化です。iPhoneが出て昨年で13年、たった13年で世の中の仕組みも、食べ物も、子育ての環境も大きく変わりました。情報が溢れ、選択するのは子どもに対しては親、教育に関しては、先生と周りの生徒によって決まります。
私達がだめだとわかっている食べ物も、今の時代食べなくてはならない時もあります。今や、グミは喉をつまらせるから噛めない子ども達には与えない、ということになっています。信じられないことが今の時代、教育や医療にも存在するのです。
子ども達も自分でできることを増やし、しっかり歩けて、親から自立し1歳半でおむつも外れ、自分で食べ、話も通じるというのが世界標準の子育ての概念ですが、今やおむつは3歳が標準。10歳でも尿もれでおむつをしている子どももいます。20歳からの尿もれパッドをテレビで宣伝するほど、出産していない女性も尿もれで悩んでいます。中高生の五感の問題、肩こり腰痛は普通のことで、生理不順は80%以上、ピルは高校2年生で40%近くが飲んでいます。男性は、20歳くらいで3人に1人は精子が無いと報道されました。食品の変化、添加物、そして人工甘味料などの問題を説いていますが、そんな食べ物も大きなものになると窒息の原因になります。
日本人はインスリンの立ち上がりが世界一遅く、総分泌量も少なく、痩せている人にも糖尿病は蔓延しています。欧米では考えられない、健康、教育ではワースト1になっているのです。(図2)
そんな観点から、グミも考えてみませんか。
※糖尿病の資料は「NHK 病の起源 糖尿病」からの抜粋です。
(MiRAKUU vol.40掲載)
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- 新橋 未来歯科 院長
姿勢咬合セミナー主幹(27年以上続く姿勢と噛み合わせの歯科医師向けのセミナー)
Ken'sホワイトニングセミナー主幹1984年静岡県菊川市にかわべ歯科を開業。2011年新橋に未来歯科開業。
従来の疾患中心型治療ではなく、「細菌単位でのお口の中のリスクを知り、その結果に基づき改善していく」「食事内容の分析・アドバイス」「姿勢指導や、呼吸などのアドバイスによる体質改善」「患者様の未来の目標設定」をコンセプトにした「予防」診療を行う。
歯科医・歯科衛生士向けの各種セミナー、DMMでのオンラインサロン等も精力的に行なっている。
『かわべ式 子育てスイッチ ~生まれた瞬間からグングン発達する88の秘訣』(エッセンシャル出版社)好評発売中。
ホームページ:http://www.miraishika.net/
未来歯科アカデミー:https://miraishika.com/academy/
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