第31回 読者からの質問にお答えします! 子どもの睡眠不足について詳しく知りたいです。〈その3〉
睡眠に対しては、必ず毎日のように口を開いた時の喉の状態を診てください。ここがワルダイエル咽頭輪という免疫力を直接診ることができる部分です。
見えないⅢ、Ⅳの場合には、上を向いて寝られない状態という呼吸、嚥下の状態です。呼吸と嚥下機能という生後3か月までは画期的に発達する脳幹という脊髄に関係する呼吸、嚥下機能という命に関わる部分の発達を意味します。睡眠の可否はこの喉と姿勢に現れていると言っても過言では無いのです。【図1】
現代人は、ほとんどがその呼吸でのネーザルサイクルという片鼻呼吸のために、横を向いて寝るしか無いという日常を送っています。過呼吸、過換気という状態です。いわゆる口呼吸です。
そして顔立ちとしての顔の発達を知ってください。
横から診た顔が平らであったり、口が開いていたり、表情があまりない顔立ちの場合には、睡眠障害の中で睡眠時無呼吸を意味します。
姿勢ではお腹ポッコリです。そして膝を曲げて歩くという世界一みっともない歩き方をします。椅子に座ると頭位に向かって立てないので、よっこらしょと体勢を整えてから立ち上がる腰痛姿勢をとります。腰痛、肩こりは睡眠障害の姿勢だからです。
この問題は舌が低位舌ということで起こります。低位舌は、骨盤底筋の下がり、頚椎ではストレートネックと関係します。
呼吸、様ざまな姿勢、食べ方、食べる姿勢、目線、声、話し方。両親の姿勢、日常生活習慣などからも、睡眠障害の原因がわかります。インナーチャイルド、インナーワードという親からの影響です。
そして環境の変化に乏しい、社会性が無い生活習慣は、孤独という睡眠障害を起こします。
運動機能、そして達成感とともに睡眠の質を起きている時の行動パターンからと、親子の寝ている時の顔、姿勢から判断しましょう。
図2左の二重顎が睡眠時無呼吸です。顎がなくなったように見えるのが、舌根の沈下を意味します。つまり呼吸不全です。
- 睡眠時無呼吸症候群とは
- 睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは、その名の通り、睡眠中にしばしば呼吸が止まる、すなわち無呼吸状態に陥ってしまう病気です。これを発症すると、睡眠中は常に大きないびきをかくようになります。
では、どうして寝ている時に呼吸が止まってしまうのでしょうか? 通常、起きている時は筋肉によって支えられているので、空気を肺へ取り込む通路である気道(鼻・口から始まり、のど(咽頭・喉頭)・声門(声帯)・気管・気管支まで)は閉塞することはなく、スムーズな呼吸をすることができます。
しかし、睡眠中は全身の筋肉が緩んで脱力するため、舌や喉の周りの筋肉が喉の奥に落ち込み、気道が狭くなります。これにより、呼吸のたびに狭くなった気道の粘膜が振動して大きないびきをかき、時には呼吸が止まるようになるのです。
現代の睡眠でよくある、横向きでないと寝られない、うつぶせ寝、口呼吸はすべて睡眠の障害です。
欧米では、90%以上、日本は98%以上の国民が何らかの睡眠障害を持っていて、精神的にも肉体的にも何かしらの疾患を持っています。
図3は正常な睡眠ができる2歳児の口腔です。2歳児で正常な大の字で寝ることができる子どもは、これだけ歯の間が開いています。このように発育空隙ができている2歳児は、今から40年以上前には結構存在していたのですが、今では1万人に1人程度と言われています。つまり今の時代は99.99%が脳の発達差に問題があるということになります。
図4の、同じ2歳児でも歯の間があまり開いていない子どもは、やはり睡眠の問題があり、大の字に寝ている状態では呼吸と嚥下機能ができず、鼻も詰まっています。
こういった子は起きている時も姿勢が悪く、足を組んだりしますし、泣いてばかりで親から自立することができません。海外では1歳半で親からの最初の自立としての排便、排尿が自分ででき、おむつが外れていることが保育園などに預けられる条件になっています。
図5は睡眠障害に関係する姿勢です。以前にも紹介した平背が現代人の姿勢で、ストレートネックが睡眠障害の最も大きな原因ですが、それは喉にも表れていて、呼吸の問題として捉えられます。
現代生活では、現代人の呼吸(片鼻呼吸、ネーザルサイクル)と言われる咬合の鼻からの呼吸がほとんんどになっています。古代人の呼吸と言われる両鼻呼吸は、深い睡眠やヨガなどの呼吸で得られます。日本人では、3%が両鼻呼吸と言われます。
未来歯科では、世界では初めて両鼻呼吸を歯並びの良くなる呼吸としています。日常生活の改善が全身からの口腔という歯並びのトレーニングになるのです。【図6】
(MiRAKUU vol.46掲載)
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- 新橋 未来歯科 院長
姿勢咬合セミナー主幹(27年以上続く姿勢と噛み合わせの歯科医師向けのセミナー)
Ken'sホワイトニングセミナー主幹1984年静岡県菊川市にかわべ歯科を開業。2011年新橋に未来歯科開業。
従来の疾患中心型治療ではなく、「細菌単位でのお口の中のリスクを知り、その結果に基づき改善していく」「食事内容の分析・アドバイス」「姿勢指導や、呼吸などのアドバイスによる体質改善」「患者様の未来の目標設定」をコンセプトにした「予防」診療を行う。
歯科医・歯科衛生士向けの各種セミナー、DMMでのオンラインサロン等も精力的に行なっている。
『かわべ式 子育てスイッチ ~生まれた瞬間からグングン発達する88の秘訣』(エッセンシャル出版社)好評発売中。
ホームページ:https://miraishika.com/
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