インフルエンザ編
※今回の記事は、ナビタスクリニック立川院長で内科医の久住英二先生にご監修いただきました。
インフルエンザの初期症状
インフルエンザには以下のような症状が見られます。
- 38℃以上の突然の発熱
- 頭痛、筋肉痛、関節痛、全身倦怠感などの全身症状
- のどの痛みや鼻水、咳
- 食欲不振、嘔吐、腹痛、下痢などを伴うことも
発症早期にはウイルス量が少なく、迅速検査でインフルエンザと診断できません。
一番の安全策は、流行時期に風邪っぽくて体調が不良の時は園などを休ませることです。
休ませることには二つの目的があります。
罹患児の養生と、他者(他の園児や職員)への感染を防ぐことです。
インフルエンザの流行時期
11月下旬から12月上旬ごろに始まり、翌年1月から3月ごろに患者数が増加、4月から5月にかけて減少していきます。
インフルエンザワクチンは接種から効果が出るまで2週間ほどかかります。
例年は12月から流行が始まるので、11月中旬までには接種を終えておきましょう。
もしまだワクチン接種をしていない場合には、早急に接種することをおすすめします。
保育所において留意すべき事項
流行シーズンに差し掛かったら、徹底した予防対策が肝心です。
地域の流行情報をチェックし、掲示や手紙で保護者に向けての注意喚起をしましょう。
咳・くしゃみをするときはティッシュで口と鼻を覆い、一度使ったら捨てるようにします。
ティッシュが無い場合にも、手で受け止めることの無いように、服の袖で受けるようにしましょう。
保育所で流行している場合には全員がマスクをするなどして、感染防止に努めましょう。
また、園児がマスクをしている場合、かわいいマスクを園児同士で交換することが無いように注意しましょう。
また、乾燥により鼻やのどの粘膜を痛めていると感染しやすくなってしまいます。
適度な温度(20~23℃)・湿度(50~60%)を保ちましょう。時折換気をすることも忘れずに。
インフルエンザの登園禁止期間
学校保健安全法により「発熱した日を0日目として、発症後5日を経過し、かつ解熱した日を 日目として(乳幼児の場合)解熱後3日を経過するまで」と定められています。
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より詳しい情報は、日本病児保育協会の公式サイトでお伝えしています!
「病児保育」とは、普段保育所に通うお子さんが体調を崩し、熱を出したりした時の保育のことです。
病児保育室での保育だけでなく、保育園でお子さんが急に体調を崩してから親御さんがお迎えに来るまでの間の保育も、立派な病児保育です。
「病児保育」は保育の知識に加えて、正しい感染症、感染予防、看護などのスキルと知識が必要となります。
全ての保育所への看護師の配置が現実的でない今、保育士には病児保育への対応力も求められています。
この連載が少しでも皆さんの現場のお役に立てたら、幸いです。