アレルギーを予防する正しい軟膏の塗り方編
※今回の記事は、 小児アレルギーエデュケーターの益子育代先生にご指導いただきました。
暑い季節になり、保育所でもとびひや水ぼうそうに罹患するお子さんが増えてきています。
保育中、皮膚症状のある感染症やアレルギーを持ったお子さんに軟膏を塗る場面もありますよね。
今回は、正しい軟膏の塗り方をご紹介します。
正しいスキンケアが、アレルギーを予防する!?
2014年5月9日に行われた日本アレルギー学会で、「赤ちゃんが生まれた直後から皮膚の保湿を続けると、アトピー性皮膚炎になるリスクを約3割下げられるという研究結果が発表されました。 (※2014年5月9日朝日新聞より)
もともと乳幼児の皮膚は”乾燥しやすく皮膚炎が起きやすい=大人に比べてバリア機能が弱い”ことが知られています。
例えば乳児に多いアトピー性皮膚炎の皮膚はバリア機能が低下しているため、保湿・清潔・ひっかき防止のためにスキンケアが必要になります。
また、乳幼児は食事の時に手や口の周りに食べ物が付着してしまう事が多いため、口周りの皮膚のバリア機能が低下しやすく、そこからアレルゲンの影響をうけやすい状況があります。
長い目で見ると、正しいスキンケアで皮膚をきれいにすることが、アレルギーの予防につながるかもしれないのです。
今回は、正しいスキンケアに必要な「洗う」「塗る」「紫外線防止」の3セットから、「塗る」方法をご紹介します。
皮膚のバリア機能を保持する
皮膚を乾燥から防御する
皮膚のかゆみを予防する
3つのポイントをおさえて、お子さんの肌を守りましょう!
第1のポイント ●●● タイミングを逃さず塗る
洗った後すぐ、水分が逃げないうちに軟膏や保湿剤を塗ることが大切です。
入浴後20分で入浴前と同じ角質水分量に戻る、というデータもあります。
第2のポイント ●●● のせる(かぶせる)ように塗る
湿疹のある部位はバリア機能が特に低下しているため、軟膏の吸収率が高くなっています。擦りこむように薄く塗るより、のせる(かぶせる)ように均等に塗る方が、軟膏の効果が高まります。(図1)
使う量の目安は、口径が5mm程度のチューブの場合、人差し指の第一関節分の量が、両手のひらの面積を塗れる量になります。(図2)
第3のポイント ●●● しわを伸ばして塗る
塗りむらの無いように、しわを伸ばしてしっかりと塗るようにしましょう。
塗りむらのできやすい場所は耳の裏・背中・膝の内側・わき腹から腰骨・脇などです。(図3)
より詳しい情報は、日本病児保育協会の公式サイトでお伝えしています!
「病児保育」とは、普段保育所に通うお子さんが体調を崩し、熱を出したりした時の保育のことです。
病児保育室での保育だけでなく、保育園でお子さんが急に体調を崩してから親御さんがお迎えに来るまでの間の保育も、立派な病児保育です。
「病児保育」は保育の知識に加えて、正しい感染症、感染予防、看護などのスキルと知識が必要となります。
全ての保育所への看護師の配置が現実的でない今、保育士には病児保育への対応力も求められています。
この連載が少しでも皆さんの現場のお役に立てたら、幸いです。