2023.10.15
\ノガミキ流/保育士働き方改革委員会

第7回 働き方改革の次のフェーズ、働き甲斐改革へ!

\ノガミキ流/保育士働き方改革委員会──第7回 働き方改革の次のフェーズ、働き甲斐改革へ!

心のゆとりは保育向上への意欲に

働き方改革によって働きやすさが整うと、心にゆとりができるようになり、先生達は自ずと子どもに注力できるようになります。そうすると、子どものちょっとした表情、言葉等からの読み取りができるようになり、「子どものためにもっとこうしてあげたい」「こんなときどのような言葉がけをしたらよいか」どんどん考えるようになっていきます。

それが1人ではなく、クラスの先生みんながそういった思いになるので、クラスのミーティングの時間やグループワークの時間も取りたい、もっと子どものことについて話し合いたい、研修をたくさん受けてもっと深く子どものことを学んでいきたい、という願望が溢れてくるようになりました。

働きやすい職場を作ることは先生達の心のゆとりに繋がり、心のゆとりは、仕事に対する意欲に繋がっていくのです。

働き甲斐を生む人員配置

保育士同士スキルを高め合うグループワーク
保育士同士スキルを高め合うグループワーク

そこで我々風の森では、働きやすさだけでなく働き甲斐のある組織を目指して更なる保育士配置を行い、国基準の1.5倍から2倍まで人員を引き上げました。以下は自園の例です。
園児数に基づく国基準の保育士配置数は6人、働きやすさの確立のため9人配置としたところから、さらに増やした3人分の人的資源はこのように活用しました。

  • 1人が必ず月1回4時間の研修を受けることができる
    →12人 × 4時間 = 48時間
  • 全ての職員が月2回グループワークを行うことができる
    →12人 × 2時間 × 2回 = 48時間
  • 各クラスの話し合いの時間を週1回2時間行うことができる
    →12人 × 2時間 × 4週 = 96時間
  • 全ての職員がノンコンタクトタイムを平均1日1時間取れる
    →12人 × 1時間 × 20日 = 240時間

Total:432時間 2.7人分

人材をどのように活用するかを予め考えた上でアサインすることで、本来先生達に行なってほしい業務が確実に遂行されます。それにより飛躍的に保育の質が高まり、働き甲斐のある職場に生まれ変わっています。

保育士が長く勤められる仕組みづくり

働き方改革をせずに、残業等を行うことで保育の質を高めることももちろん可能ですが、話し合いの時間を終業後や土日に設けるとなると、どうしても子育て中の先生などには難しくなってしまいます。女性が結婚、出産しても長く勤められる組織を作ることが求められ、そこには働き方改革が必要なのです。保育士が長く働き続ける仕組みを作ることで、専門性を高め続け、プロフェッショナルな仕事に導いていけるのではないかと思います。

働き方改革をベースに働き甲斐改革へ。先生達が生き生きと保育の仕事を楽しんでいける業界を一緒に作っていきましょう!

(MiRAKUU vol.44掲載)

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野上美希
  • 野上美希(のがみ みき)

    社会福祉法人風の森 統括
    学校法人野上学園 主事
    株式会社野上アカデミー 代表取締役
    一般社団法人キッズコンサルタント協会 代表理事

    大手シンクタンクにて、コンサルティング、採用、営業を経験した後、人材紹介会社にて事業部の立ち上げに従事。営業部長として複数の部下をマネジメントする傍ら、女性のための人材紹介サービスの代表も務める。自身の妊娠を機に久我山幼稚園の運営に携わる。
    成長著しい時期である0歳~9歳(シングルエイジ期)においての一貫した教育を提唱し、子育てひろばや学童保育、6つの認可保育園を開設。
    また、キャリアカウンセラー資格を活かし、保育士のための仕事紹介サービス『保育ウィルキャリア』も主宰し、自園以外の保育士のキャリアに対しても寄り添う。幼稚園の採用のみならず、認可保育園を毎年1園ずつ増やす中で、独自の採用手法により、国基準の2倍の保育士確保を実現。現在、業界に先駆けて保育者の働き方改革を実践している。