子どもたちのケンカに、保育士はどう対応するべきか
子どもは些細なことでケンカを始めるものです。
保育士なら、日常的に子どものケンカに関わることもあるでしょう。
その際、介入した方がいいのか、迷った経験もあると思います。
どのように対応したらいいのでしょうか。それを考えてみましょう。
まずは子どもの様子を見守ろう
例えば、2人の子どもが「おもちゃの取り合い」が原因でケンカを始めたとしましょう。
その場合、保育士はすぐに介入せず、まずは子どもの様子をみましょう。
様子を見ていたら子ども同士で解決していた、ということはよくあることです。
では、なぜすぐに介入してはいけないのでしょうか。3、4歳くらいの子どもは、「蝶よ花よ」と家庭の中で大事に育てられてきた時期を過ぎています。
すると次へのステップアップとしてお友達という他人との関わりの中で徐々に「社会性」を身につけていきます。
ケンカをしたり仲直りをすることで、相手にも気持ちや事情があることを知り、自分の気持ちとの折り合いのつけ方を学ぶのです。
保育士などの大人がすぐに介入してしまうと、社会性の発達を妨げてしまうことにつながります。
共感してあげる声かけが大事
そうはいっても、やはり目の前でケンカが繰り広げられていると、保育士になったばかりの人は慌ててしまうことが多いです。
ケンカをしていたら、まずは状況を聞きましょう。子どもは気持ちを伝えるための言葉を知らないため、上手に伝えることができないこともあるからです。
助け舟を出す時は、子どもの気持ちに共感する聞き方をしましょう。
「貸してもらえなかったのが悲しかったんだね」などと噛み砕いて子どもの気持ちに寄り添った柔らかい言い方を心がけるとよいでしょう。
気持ちを分かってもらえた子どもはそれだけで安心感を得るものです。
こんなケンカを見たら迷わず介入すべき
子どものケンカを見守ることは大事ですが、早急に介入するべきケンカもあります。それは以下の通りです。
・激しいつかみ合いや殴り合いになった場合
・子どもが助けを求めている場合
・一方に反抗する意思がなく受け身になっている場合
・噛み付く、蹴るなどケガのある恐れのある行動をしようとしている場合
・消えろなど、相手の存在を否定するような言葉を使った場合
このように、ケンカの場であっても、ケガをさせたり暴言を吐くといった「してはいけない」行為に関しては保育士が介入し、止めに入ることが重要です。
他人の気持ちを推測することが出来るように、自分の要求を抑えることが出来るようになるといった社会性は、子どもがケンカを通じて学ぶものです。
大事な成長の機会を阻害することのないよう、保育士がしっかり様子を見ながら子どものケンカに対処していきたいものですね。