【男性保育士への印象】女性保育士・保護者・保育園それぞれの意見
昔は「保母」「保父」と呼び分けられていた「保育士」が現在の呼び方に変わったのは、それだけ男性保育士の数が増えてきた証拠と言えます。
とはいえ男性保育士はまだまだ少数派。女性からどのような印象を持たれているのでしょうか? 今回は女性保育士や保護者から見た「男性保育士に対する印象」をご紹介します。
女性から見た男性保育士の印象は?
■女性保育士にはできない遊びや仕事ができる!
男性保育士に対する印象の中でもっとも代表的なものは、「女性にできない仕事ができる」というところ。
たくさんの子どもたちを相手に女性だけで外遊びをするのは、並大抵のことではありません。特に男の子の外遊びとなると活発な子も多く、とても対応しきれないというケースもあります。
さらに保育園の業務では、運動会や発表会といったイベント設営など、女性だけでは大変な業務も多いです。男性保育士は、力仕事や子どもを抱える遊びをこなせる頼もしい印象を持たれています。
■近隣トラブルや防犯でも頼りになる!
頼りがいのある男性保育士がいれば、防犯上も安心できるという意見があります。
住宅地に近い保育園では、どうしても近隣トラブルなどが多いもの。2014年には東京都国分寺市の保育園に「子どもがうるさい」と脅迫があり、男が斧を持って脅しに来たという事件までありました。
幸いにもこの事件ではけが人などの被害者はゼロ。当時、園児の父親が居合わせていたため、最悪の事態にはならなかったようです。日頃のご近所づきあいなどのソフトケアも大切ですが、男性保育士がいればいざというときにも安心できますよね。
■男性保育士がいると職場の人間関係も良好に!
男性保育士がいると、職場の雰囲気が中和されるという意見も多く見られます。
保育園の多くは、女性保育士が占める女社会。同性間だとついつい強く当たってしまい、後輩の指導も厳しくなることがあります。
男性保育士がいる園では、職場の雰囲気が険悪になることも少ないそうです。やはり異性の目があるということは、人間関係を保つのに大切な要素と言えるでしょう。
業務の上でも、女性だけの職場に比べて偏った意見になりづらく、できれば男性保育士を採用したいと考えている園が多いです。
男性保育士には保護者の厳しい意見も……
保育の現場では評価の高い男性保育士ですが、一部の保護者からは悪い印象を持たれているケースもあるのです。
男性保育士がいる保育園では、「女児のおむつ替えをして欲しくない」「子どもであっても更衣を見せたくない」といった保護者のクレームが寄せられます。
そういった意見があるときは、おむつ替えはすべて女性保育士が対応する、など仕事の分担で解決することができます。男性保育士の働きやすさには、職場の理解・配慮が大きく関わっているのです。
現在、男性保育士の数はおよそ2万人と見られています。保育士登録者数は6万人以上にも及びますが、実際に働いている保育士は3割程度。女性社会に男性保育士が飛び込んでくることは、まだまだ大変なのが現状です。
しかし、ご紹介した通り男性が職場にいることで得られるメリットは小さくありません。自分たちのためにも、
男性保育士が働きたくなるよう職場環境を整えていくことをおすすめします。園と保育士個々人が一丸となって、男性保育士の入りやすい職場づくりをこころがけていきましょう。