2020.10.09
保育士のライフスタイルを輝かせる

動物まねっこのヨガ遊び

動物まねっこのヨガ遊び

私達は、いま沢山の道具に囲まれて生活をしています。このような中、小さい子が道具を使えるようになると「すごいなあ」と思う事はありませんか?

筆者はタブレットのロックを解除しゲームをする3歳児に驚いたことがあります。小学校でのプログラミング授業が必修になりインターネットが益々身近になった時代ですが、子どもの運動器疾患や障害の頻度が高くなってきていることも問題視されています。(平成28 (2016)年4月1日から学校定期健診に運動器検診の項目が加わりました)

ぜひ、自分の身体を遊びこむことも、取り入れていただきたいと思います。

ヨガをされたことがある方なら、動物のポーズが多いことをご存知の事と思います。「やさしく学ぶYOGA哲学ヨガスートラ」(著:向井田 みお)によると、『自然の摂理のままに生きる動物の賢さ、動き、バランス感覚をまねることで、自然の調和を取り戻す』とあります。今回は、動物のポーズと、期待できる効果をお伝えします。

転んでも手が出ない!

立ったまま靴下がはける?

私達は、とっさの時に手が出ることで自分を守ることをします。しかし、保育現場でよく話題に上がる一つとして、「子どもは転んだ時に手が出ない」ので負傷してしまうと言うことが聞かれます。考えられる原因として、ハイハイの経験が少ないといったことも聞かれますが、生活している環境で仕方がない事もありますし(つかまるものが多ければ早い段階でつかまり立ちするかもしれません)、年の近い歳上の兄弟がいれば真似をしたがり早くに歩くかもしれません。通過してきた成長段階を悩むより、積極的に遊びましょう。

例えばえばこんなポーズはいかがでしょう?

・四つん這いになって「ネコ」

・四つ這いだけれど、膝ではなく足の裏を床につける「くま」

・手の力だけでずり這いしながら前進をする「ワニ」

また、ヨガのポーズで有名なのが「下を向いた犬のポーズ」四つ這いから足裏で床を押し、膝をのばし、身体で大きな三角をつくります。手と足で床を押すことで、手のひらのストレッチにもなりますし、腹筋・背筋にも働きかけます。滑りにくい場所を選び、ほんの2.3呼吸キープしてみてもよいでしょう。

立ったまま靴下がはける?

転んでも手が出ない!

乳児クラスでは、座り込んで一生懸命靴下を履く姿が見られます。いつまでも見守ってあげたくなるほど愛らしいですが、小学校に入学する前までには、立った状態で靴下がはけると良いですね。これには、筋力とバランス感覚が必要です。ヨガ遊びの片足立ちは、少しキープをして揺れをも楽しむのがコツです。

フラミンゴになったり、空を飛ぶ鳥になったり、片足でバランスを取るのを楽しんでみてください。こちらのコツは、ゆっくり落ち着いて挑戦すること。重心の移り変わりを注目すること、目線を定める事です。日によってのバランスの違いなども気づくことがあるかもしれません。

すぐにお尻をついてしまう

良い表現ではないのですが、昭和の頃の非行少年少女の象徴で「ヤンキー座り」というものがありました。足を大きく広げ、しゃがむスタイルです。見た目に美しくはないのですが、お尻は床につけないという配慮があったように思えます。

今、10代の若者たちは(ごく一部ですが)、椅子がないと地べたにお尻を付けて座ります。子ども達は…というと、砂場などでお尻をついて遊ぶ子、しゃがんでいる子、どちらも見かけますが、保育者の先生方に伺うとしゃがめない子は増えているというお話を伺います。

すぐにお尻をついてしまう

遊びとして、カエルのまねっこを楽しんでみるのはいかがでしょうか?

カエルのジャンプも楽しいですが、手と足をしっかりついたカエルのポーズで動きを止めてみると、どんな感じがするでしょう?

その時に感じる事をお話しすることで、繰り返し楽しめます。

園外保育先の公共の施設や、学校のトイレは、まだまだ和式のトイレが存在しています。しゃがんでも姿勢が保てるような体幹づくりをぜひ楽しんでください。


ライタープロフィール:鈴木晶子
  • 保育者養成校教員 Yoga.ed トレーナー

    Yoga Laboratory ~ 先生達のセルフケア研究会 ~ 代表

    ホームページ: Yoga Laboratory

    イラスト:Rena Kaneda