2016.10.15
保育園訪問【雑誌掲載版】

東京家政大学かせい森のおうち──小さいときに愛されて、優しく育ってほしい

小さいときに愛されて、優しく育ってほしい──東京家政大学かせい森のおうち

かせい森のおうちについて教えてください。

園長:猪野 秀子さん

東京家政大学かせい森のおうちは、平成26年に東京家政大学狭山キャンパス内にできました。
0歳~5歳まで60名の定員の、学校法人運営の認可保育園です。
健康管理、音楽、体育、造形活動など大学教授の支援を受けたり、子ども学部、看護学部の学生の実習を受け入れています。
0~2歳児は、食事、睡眠、排泄、着脱について担当の保育者が育児行為を行います。担当制により、保育者は子どもをよく知り、よりふさわしい働きかけを心がけます。そして、子ども自身も自分のことをよく知ってくれる保育者に愛着を感じ、安心して過ごせるように配慮しています。
そして3~5歳は、異年齢集団の中で互いに助け合い、年齢別の活動や異年齢の活動を組み合わせて生活しています。

子どもたちが自分で考えて行動できるようどのように配慮されていますか?

(上)遊びコーナー(下)もりのアートクラブでの作品
(上)遊びコーナー(下)もりのアートクラブでの作品

0~2歳児の遊びでは、子どもの手の届くところにおもちゃがあります。色いろなおもちゃに触れて保育者と一緒に遊ぶうちに自分の好きな遊びが見つけられ、自ら楽しめるように配慮しています。発達に応じたおもちゃが設定されているか、環境の見直しを重要視しています。
生活面では、自分でやってみたい気持ちを大事にして身辺の自立を助けます。

3~5歳児では、造形、お世話ごっこ遊び、積み木、ブロック・カードゲーム等の4つのコーナーを設けており、子ども達が自分で遊びを選んでいます。毎日同じ遊びを楽しむ子もいれば、色いろな遊びに興味のある子もいます。保育者は一人ひとりの様子を観察、記録し、必要に応じて援助をしています。

自分で考えて行動できるように、保育者はまず、子どもと向き合い、子どもの言葉を聞き、受け止めることを大切にしています。
特に、クラスで行うおはようの会や帰りの会では、子ども達は自分の思いを伝え、経験したこと、家族の話、社会のニュース等自分で発表することを考えたり、友達の発表も聞けるようになり、友達と楽しさを共有することができます。その中で、社会性もだんだんと身につけていきます。

食育にはどのように力を入れていますか?

いただきま~す! 栄養満点の食事はとってもおいしそう☆

美味しく楽しく食べることを大切にしています。食事のテーブルには、季節の花を飾っています。
また、学期ごとにバイキングをしています。七夕バイキング、クリスマスバイキング、お別れバイキングです。お別れバイキングでは、卒園児からのリクエストを中心にメニューを考えています。
4、5歳児はビュッフェ形式を取り入れ、自分で食べられる量を自分で盛り付けるようにしています。
また、調理のお手伝いをすることで意欲的に食べる姿も見られています。お手伝いは3歳から始め、5歳になるとピーラーや包丁等道具を使って調理をします。

大学との連携について教えてください。

子ども学部、看護学部の実習生を受け入れており、学生と子ども達との関わりも多くあります。
また、大学の造形美術室で、教授や学生ボランティアとともに造形活動をする「もりのアートクラブ」を毎月実施しています。
サークル活動や、授業で学んだことを保育園で披露する場もあり、学生にとっても、子どもにとっても有意義な時間になっています。

埼玉県の親支援推進事業モデル施設になって良かったことは?

広いキャンパスの中で自然に触れながら元気に駆け回る子ども達♪

支援事業は補助金をいただき、12回実施しました。
平日のお迎えの時間や土曜日の午前中に、「子どもの救急対応」「心と身体を育む親子ふれあいあそび(親子でワークショップ・パラバルーンを楽しむ)」「アレルギーと冬の感染症」「親子で餅つき」「夕暮れコンサート」等を行いました。
土曜日には、保護者の方に軽食を用意していただきました。皆さんで食事をする中で親同士の会話も弾み、クラスを越えて交流も深まりました。
支援事業を通して園への関心がより高まり、保護者同士の親睦も深まっていきました。
そして、3年目の今年、保護者の方から「父母の会」を作りたいという声があがり、7月に「父母の会」が発足しました。クラス委員も自主的に手を挙げられ、会則も保護者の方が中心になって作られました。園行事(運動会・お店やさんごっこ)へのお手伝いの他、父母会独自の行事として、10月にはバーベキュー、1月には凧揚げ大会も計画されています。

今後やっていきたいことはありますか?

「イクメン」と言われておりますが、父親も子育てに参加し、父親も一緒に子育てを楽しんでほしいと思っています。
子育てを通して、他の保護者と子育ての楽しさ、情報の共有をしながら、社会の中で“みんなで一緒に”子育てをし、子ども達の心が育つよう園からも働きかけや、提案をしていきたいと思います。
また、絵本の貸し出しを始め、親子で絵本を楽しんでほしいと思っております。

かせい森のおうちといったら?

「優しさ」です。小さいときに愛されて、優しく育ってほしいと願っています。

東京家政大学かせい森のおうち

東京家政大学かせい森のおうち

住所

〒350-1398
埼玉県狭山市稲荷山2-15-1

公共交通機関

西武池袋線 稲荷山公園駅より徒歩6分

開園時間

月~土 7:00~19:00(延長保育時間1時間を含む)

連絡先

TEL:04-2952-1625 FAX:04-2955-6900
ホームページ