Eis International Pre-School──みんな違っていい。多民族国家で世界に通用する日本人を
Eis International Pre-Schoolさんについて教えてください
EISは今年で19年目で、現在イーストは100名、ウェストは90名弱の園児がいます。当時の日本では、シンガポールはアジアの小国という位置づけでした。そんな中で子育てをする日本人の親御さんに安心して子どもを預けられる場所をということでEISを立ち上げました。EISという名前はeasyから来ていて、安心して楽しくみんなで集える場所という意味を込めています。
EISは「ジャパニーズインターナショナルスクール」を目指しています。日本人がグローバル化するには、何人かわからないような人ではなく、日本人として世界に通用する人間を作っていくことが必要だと考え、このようなワードを使っています。
クラス担任が日本人で、他に英語の担任、英語のアシスタントがいます。できるだけ人種を分けるようにしていて、中華系、マレー系、インド系、イギリスの先生がいます。
基本的に伝えたいことは、違っていいんだよということ。シンガポールは多民族多宗教国家ですから、違っている人がみんな一緒にいて楽しむということを大切にしています。
園児が日本人の先生には日本語、ネイティブの先生には英語で話すのはなぜですか?
「ジャパニーズインターナショナルプリスクール」ですから、日本語がおかしくなるような英語教育は絶対にしません。日本語は日本にいるのと変わりないぐらいのレベルで上げていくのが第一目標です。
母語以外の言語を取り入れていく時、自分の意思を相手に伝える、相手の意志を自分が理解できるということが一番大切だと思います。何かで読んだのですが、会話は言語に頼る部分は2~3割で、7~8割は前後関係や表情や信頼関係で成り立っているそうです。これは子ども達を見ていると腹落ちします。
子ども達は英語を使っているという意識はないんですね。よくお年寄りに大きい声でゆっくり話しかけたりしますが、それと同じ感覚だと思います。
日本語と英語が一緒に入っていて、英語の先生とは英語、日本の先生とは日本語と、スイッチを切り替えていくというのが脳にとってもコミュニケーション能力を伸ばしていくにも良いだろうということでそういう形にしています。
自己肯定感を高める教育は具体的にどのようなものですか?
「あなたはとても大切で価値があって素晴らしい人間なんだよ、だから大丈夫」「あなたの未来は輝いているんだよ、だから大丈夫」という2つのエネルギーを与えていくことを大きな柱としています。
これをもって何をしてほしいかというと、だから自信を持って自分で考えて、自分で判断して、自分で行動するんだよということ、そして自分で価値観を創造していくということです。これからは何が起こるかわからない時代になるので、自分で価値観を創造できるということが幸せになれるキーポイントになっていくのではないでしょうか。
その中で一番大切なのは、先生から子ども達へのトップダウン型の教育ではなく、子ども達から自分が何をやりたいか発信して、それを先生が拾って進めていくという教育です。
時間割は一応ありますが、時間は指定していません。なぜかというと、子ども達がもっとやりたいという活動であれば、満足いくまで時間を取ることにしているからです。目的はカリキュラムを進めることではなくて、子ども達の心を満たす、豊かな園生活を送るということなのです。
夏祭り、パフォーマンスデー(舞台発表会)、ファミリーファンデー(運動会)、餅つきなどの行事でも同じことが言えます。親に見せるためではなく「子ども達が楽しんでいる姿を見に来てもいいですよ」というスタンスです。主体はあくまでも子どもで、子ども達がエンジョイするのを常に目的としてやっています。
保育の質の向上を目指して行なっていることはありますか?
先生達の研修はしています。ただ、一番先生達の力になるのは、園の判断がどういうものかを見せることだと思っています。子どもにとって何が良いか、先生方がどっちの方が働きやすいか、問題が起きた時など、園がどう判断して解決していくかを見せる。それにより園の方針、子ども達や保育士をどのように考えているかがわかり、同じ方向を向いて保育をすることができるし、信頼関係も築けます。
愛情をもらって周りの人に出していくことを私は愛情の循環と言っています。たいていの人間は愛情を出す方が不得意なんです。だからこそ、子ども達に対して愛情を出していって、子ども達の喜びが先生の一番の喜びになり、幸せになっていくことなんだという思考に変えていかないと、先生も子ども達も幸せになっていかない。
そのためには、経営幹部がしっかり判断をしていかないといけないと思います。不満の全然ない職場というのはないと思うので、だからこそ提案型の不満はいつでも出すよう言っています。「これが良くない」だけではなく「こうした方がいいと思う」という提案型にしてくれれば、何がどこまでできるか決めていくことができ、より良い環境にしていけるからです。
ここで育った子ども達に将来どうなってほしいですか?
自分で価値観を創造できるような人になってほしいです。生きる目的は人生を楽しむことだということをわかってほしいんです。これからは価値観がぐらぐら変わっていく時代になるので、そこで幸せになって生きていくためには、自分で価値観を決めることが大事だと思います。そして、心豊かに幸せになっていく大人になってほしい。その心の豊かさが、社会貢献に繋がるんですね。
自分が豊かになること=人が幸せになっていくというような循環を生める大人になってくれたら嬉しいなと思います。
今後の展望を教えてください。
五感を使った体験学習を掲げていながら、実際のところ自然に触れることがなかなかできないでいるので、そういう体験を子ども達にさせていきたいです。シンガポールだとどうしても限られてしまうので、インドネシアや日本などで、土や動物と直に触れ合えるような体験ができるといいなと思っています。
まずは親御さん達に紹介するという形からになりますが、いずれみんなで行けるような機会を作れたらいいですね。
(MiRAKUU vol.46掲載)
Eis International Pre-School
住所
East
7 Seraya Lane Singapore 437275
West
1A International Business Park Rd, #01-01/02 Singapore 609933
開園時間
月~土 8:45~15:30
(延長保育18:30~19:30)
連絡先
East
TEL:+65 6348 4780
email:staff@eisintl.com
West
TEL:+65 6777 2911
email:staff@eisintl.com