2024.10.15
保育園訪問【雑誌掲載版】

みらい保育園──富良野ならではの体験活動を通し自己肯定感の礎を築く

みらい保育園──富良野ならではの体験活動を通し自己肯定感の礎を築く

みらい保育園さんについて教えてください。

みらい保育園 園長:西岡 拓真さん

3年前に設立したA型の小規模保育園です。定員は19名で、0~2歳のお子様をお預かりしています。医療的ケアのお子さんも1名います。
園の特長は、体験活動を重視しているところです。園でバスを所有しており、基本的に毎日バスで出かけて色いろなものを見たり、体験したりしています。富良野と聞いて皆さんがイメージするとおり、自然が豊かで周りに色いろな体験ができる場所があるので、場所には事欠きません。
今日は滝を見に行っています。明後日はラフティング、川下りをする予定です。ラフティングは昨年度から取り入れているのですが、富良野ならではの体験ですし、子どもだけでなく職員にも良い経験になります。
夏はラベンダー畑などのお花を見に行きますし、冬には駐車場に雪を溜めて雪遊びをしたり、スノーモービルにボートを着けて引っ張るスノーラフティングをしたり。隣町のスキー場に行ってそり滑りもしますよ。富良野には子ども達が好きなアンパンマンショップもあって、自然体験だけではなくそういった場所にも行きます。

これらの体験活動は、自己肯定感を高める礎となるものです。「やったことがある」あるいは「これをやってみたい」とか、そういったところから自己肯定感が生まれると小学校の教師をやっている時に思ったんですね。「できない」ではなく、まずは「やってみよう」と色いろなことにチャレンジして、周りの大人達がサポートし、共感する。小さい頃は天狗でもいいと思っているんです。天狗になるくらいにたくさん褒めるシャワーを浴びて、どんどんチャレンジしていってほしいと思っています。

内装の特長は何でしょうか?

内装は、壁をすべてディック・ブルーナのカラーにしています。それも、ただ漫然と配置するのではなく、1つひとつ意味を持たせた配置にしています。たとえば、職員室は緑と黄色を使っているのですが、これは、緑=心を落ち着かせる色、黄=元気が出る、といったことを考えた配色です。保育スペースには緑、黄色のほかに、静かな青、楽しさの赤なども使用しています。
また、0~2歳の園児なので、転倒しても危険が少ないように、老人ホームなどでも使用されているクッション性が2倍ほどある床材を使用しています。

カリキュラムはどんなものがありますか?

私が以前小学校の教員だったというのもあって、教育に力を入れています。
外国語活動として、外国語講師が1名おり、毎日英語を聞ける環境にし、イングリッシュタイムも設けています。
それから、書道です。私が大学で専攻しており、日本の文化でもありますから、子ども達にさせたいと思っています。現在はまだ子どもに筆を持たせるところまで行っていないのですが、状況を見つつ、水で書ける水書をしてみたいと思っています。
あとは食育ですね。小規模の園ですが、給食もおやつもすべて自園調理をしています。地域的に農家さんがすごく多いので、お米、じゃがいも、玉ねぎなどカレーに入っているような食材はすべて直接農家さんと契約し、できるだけ地産のものを使用しています。また、園の畑で作物を育てて、それも一緒に給食やおやつに使います。

保育士さん達が働きやすい環境を作るためにしていることは何ですか?

本来は、保育に入る先生は5名で良いのですが、13名にしています。自分のお子さんがいる先生がほとんどなので、子どもが熱を出してお迎えにいかなくてはならないといった状況がけっこうあるんですね。13人いると、そういった時に早退・お休みしやすいのです。
また、国の基準では、0歳児は子ども3人に対して先生1人なんですが、ここでは全てのクラスが基本的に子ども2人に対して先生1人にしています。子どもに対しても手厚い保育になりますし、先生にとっても余裕ができ、良い保育ができると思います。

この園で育った子ども達に将来どうなってほしいですか?

近い将来として「小学校で困らない」というのをコンセプトにしています。困らないというのは、勉強についていけるとか集団行動ができるとかではなく、自分で解決する力を持っているということです。何か困ったことが起きた時、自力で解決できるというのもそうですが、先生に尋ねるというのも解決する力だと私は思います。何も声を出さないでずっと我慢しているのではなく、助けを求めたり、自分で考えたりして解決できるようになってほしいと思います。
そのために、自己肯定感を育てる、高めるという部分を重点的に、体験活動を主軸とした保育をしています。

今後の展望を教えてください。

保育園だけが頑張っても「良い社会」「良い地域」にはならないと思うんですね。保育園だけが体験活動をして、様ざまな所に行って、教育をして……とすれば良いかというとそうではないと思います。少子化と言われる中で、やはり色いろなところが手厚く子ども達をサポートして教育・保育をするというのは、日本にとって、特に地域――富良野にとっても大事だと思うのです。みんなで協力して子どもを育てないと、この自治体はもうちょっとで終わってしまうのではないかという懸念もあります。そうならないように、保育園だけでなく地域も一緒に協力して保育ができればと思っています。

みらい保育園:アンブレラスカイ

(MiRAKUU vol.48掲載)

みらい保育園

みらい保育園:MiRAKUU編集後記

住所

〒076-0007
富良野市南町5番11号

アクセス

JR根室本線、富良野線 富良野駅より徒歩33分、車7分

開園時間

月~金 7:30~18:30
土 7:30~12:30

連絡先

TEL:0167-56-7430
FAX:0167-56-7530